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分散投資とは?おすすめな理由をわかりやすく解説

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

確定拠出年金企業型に加入したけれど、リスクを恐れて、リスクが少ない商品ばかり選んでしまっている人も多いのではないでしょうか。

投資の世界では「リスクとリターンは表裏一体である」という原則があり、リスクを取らなければ、資産を大きく増やすことはできません。

この記事では、リスクを抑えて資産を増やすには、分散投資がおすすめである理由と分散投資の仕組みについて詳しく解説します。

分散投資がおすすめな理由

確定拠出年金企業型の運用商品には、主に「元本確保型商品」と「投資信託」があります。「元本確保型商品」は満期まで保有すれば元本割れしない商品であるため、リスクを取りたくない時は「元本確保型商品」を選択すれば安心です。

しかし、投資には「リスクとリターンは表裏一体である」という原則があります。リスクを取らなければ、リターンを得ることはできないということを意味しています。

「元本確保型商品」は、元本割れするリスクはありませんが、金利がほとんどつかないため、資産が大きく増えることはなく、世の中の物価が上昇した場合には資産の価値が目減りしてしまう可能性もあります。

リスクをできるだけ抑えながら資産を増やしたい人には、分散投資がおすすめです。

分散投資がおすすめである理由には、主に「元本割れが生じる可能性が少なくなる点」と「リターンが大きい商品も入れられる点」の2点があります。

元本割れが生じる可能性が少なくなる

分散投資では、複数の金融商品を組み合わせることによって元本割れの可能性を少なくできます。例えば、ローリスク・ローリターンの債権で元本を守りつつ、ハイリスク・ハイリターンの株式等で利益を出すなどの組み合わせです。

ローリスク・ローリターンの金融商品を多く組み入れたり、値動きの異なる金融商品を組み合わせることで、元本割れの可能性をより減らせます。

リターンが大きい商品も入れられる

引用:リスクを軽減させる「3つの方法」 | 東海東京のiDeCo
https://moneque.tokaitokyo.co.jp/service/ideco/03/method/

分散投資をすることによって、リターンの大きい商品を組み入れられるようになります。

また、分散投資をする際に、長期で運用することができれば、さらに分散効果が期待できるのです。

赤は投資信託の最高収益率、青は最低収益率を表しています。1年単位では大きな開きがありますが、5年平均、10年平均でみると徐々に最高収益と最低収益の幅は少なくなり、保有期間が長くなるほど最大収益率と最小収益率の幅が小さくなっていることがわかります。

リスクのある投資商品の場合、1年単位での最高収益と最低収益の値幅は大きいですが、長期運用を継続することで、プラスとマイナスを繰り返すことで相殺し合い、平均の収益率の最高値と最低値の値幅は長期で運用をすればするほど小さくなるのです。

リスクのある商品を組み入れても、分散投資をしながら長期運用することで、リスクとリターンをコントロールできます。

分散投資方法

分散投資をする際には「商品の分散」と「時間の分散」の2点を意識する必要があります。それぞれ重要な理由を解説していきます。

商品の分散とは

商品の分散とは、1つの金融商品だけで運用せずに、複数の金融商品を運用しようということです。

投資の格言に「一つのカゴにたくさんのタマゴを盛るな」という格言があります。これは、一つのカゴにタマゴを全部盛っていた場合、万が一カゴが転倒したら全部のタマゴが壊れてしまうため、一つのカゴにタマゴを盛ってはいけないという教えです。

例えば、タマゴを4つのカゴに分けて盛っておけば、カゴが1つ転倒しても壊れるタマゴは4分の1であるため、4分の3のタマゴは壊れずにすみます。

上記の事例でカゴを4つに分けたように、4つの資産に分けて投資をすれば、1つの商品の価格が暴落しても、残りの3つの商品で補って、投資での大きな損失を防げる可能性があります。

やみくもに商品を分けて運用すれば良いのではなく、値動きの特徴が異なる商品を併せ持つことが重要です。

値動きの異なる商品を併せ持つ

確定拠出年金企業型の商品において、株式と債券の関係は値動きの特徴が異なる関係です。

市場が好調な時は、リターンの大きい株式を購入する人が増えるので株価は上昇し、リターンの低い債券の価格は下がる傾向にあります。

市場が不調な時は、リスクを避けるため、株式の人気がなくなり株価も下がり、安全資産である債券への買いが集まるため、債券価格は上がる傾向にあります。

株式と債券を併せ持つだけでも分散投資の効果がありますが、円高ドル安、円安ドル高というように通貨でも値動きの特徴が相反する商品があるため、国内商品、海外商品も併せ持っておくと、さらに分散効果を高めることが可能です。

元本確保型商品、株式投資信託(国内と海外のもの)、債券投資信託(国内と海外のもの)、(あれば)REITなど、さまざまな投資信託や元本確保型商品をバランスよく持つことで、さらに分散投資の効果が高まります。

加えてリスクの高い商品が運用資産にあっても、リスクを抑えて安定したリターンを得ることが可能です。

時間の分散とは

商品の分散だけでも効果はありますが、さらにリスクを抑える方法として、購入時期を分散させる「時間の分散」があります。簡単に言えば、まとまった金額を一度に投資をしないということです。

手元に100万円の運用資金がある場合に、100万円を一度に投資するのではなく、毎月2万円、3万円というように一定額を買い付けることで時間の分散ができます。
また、時間の分散が有効である理由について、時間の分散として有名な投資手法である「ドルコスト平均法」を使って解説していきます。

ドルコスト平均法

引用:ドルコスト平均法とは?(投資信託のギモン解決集):三井住友銀行 (smbc.co.jp)
https://www.smbc.co.jp/kojin/toushin/gimon/start11/

上記の図のような購入方法を「ドルコスト平均法」といいます。ドルコスト平均法という言葉は難しいですが、単純に毎月一定額で投資商品を購入するだけです。

同じ値動きをする投資信託を「定量購入」した場合と「定額購入」した場合で比較してみましょう。

【定量購入】

  3月 4月 5月 6月 合計 5ケ月間の平均購入価格
購入口数 10口 10口 10口 10口 40口 10,000円
1口あたりの価格 10,000円 13,000円 7,000円 10,000円
購入金額 100,000円 130,000円 70,000円 100,000円 400,000円

【定額購入(ドルコスト平均法)】

  3月 4月 5月 6月 合計 5ケ月間の平均購入価格
購入金額 100,000円 100,000円 100,000円 100,000円 400,000円 約9,524円
1口あたりの価格 10,000円 13,000円 7,000円 10,000円
購入口数 10口 約7.7口 約14.3口 10口 約42口

今回の事例では、定額購入をすることで、平均購入単価を下げることができました。

この事例では、5月の投資信託の基準価格が下がってしまいましたが、定額で購入しているため、口数はたくさん購入することができました。定額購入をしておくと、値下がりさえも味方につけることができます。

まとめ

確定拠出年金企業型の中にはリスクがある商品もあり、投資が初めてという方はリスクのある商品は避けてしまいがちです。

しかし、確定拠出年金企業型を使って老後資産をしっかり形成していくためには、ある程度リスクを取り、大きなリターンを得ることができる商品を組み入れることも大切です。

リスクとリターンの高い商品を、安定して運用するためには、商品の分散、時間の分散、長期投資をすることが重要になります。

確定拠出年金企業型は、最大70歳まで運用でき、掛金は毎月拠出されるため、長期投資と時間の分散は特に意識する必要はありません。

加入者が確定拠出年金企業型で意識するのは「商品選び」です。自分の老後の生活費を充実したものにするためには、商品選びを慎重に行いましょう。弊社でもアドバイスできますので、気になる方はアイマークまでお気軽にご相談ください。

確定拠出年金企業型の改正ポイントとは?注意点もあわせて解説

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

令和4年度以降、確定拠出年金の企業型とiDeCo(イデコ)の制度がともに大きく改正となりました。いずれも以前の制度より使いやすく、より老後の資産形成の支えとなる制度に変わっています。

この記事では、確定拠出年金企業型の改正ポイントや注意点について詳しく解説します。

確定拠出年金企業型の改正ポイント

確定拠出年金企業型は、国民の資産形成を推進しようという国の後押しもあり、多くの企業で採用されている制度です。

従業員と企業に税制上のメリットがあるため、現在も導入企業数は毎年伸び続けています。そこで、令和4年度から実施されている以下の3つの変更点について解説していきます。

  • 受給開始年齢の上限を70歳から75歳へ延長
  • 加入可能者年齢が70歳未満に拡大
  • 確定拠出年金企業型の加入者がiDeCo(イデコ)に加入しやすくなる

受給開始年齢の上限を70歳から75歳へ延長

改正前の確定拠出年金企業型では、原則60歳から年金を受け取ることができ、少なくとも70歳までに受給を開始する必要がありました。

令和4年4月からは、受取開始年齢の上限が70歳から75歳となり、運用できる期間が5年伸びたため、従来よりも長い期間で資産運用ができるようになりました。

ただし、60歳以降も運用を続けた結果、60歳時点よりも資産が減少してしまう可能性もあるので注意が必要です。公的年金の繰り下げ支給のように受取を後に伸ばすことによって、受取額が必ず増加するというものではありません。

加入可能年齢が70歳未満に拡大

改正前の確定拠出年金企業型では、掛金拠出ができる年齢は原則60歳未満の厚生年金被保険者となっており、60歳前と同じ事業所で継続して働く厚生年金被保険者のみ、規約に定めることによって65歳未満まで加入することが可能でした。

令和4年度の改正によって、令和4年5月以降は70歳未満であれば確定拠出年金企業型に加入できるようになりました。加入者年齢が拡大されることによって、確定拠出年金企業型の加入者の増加が期待できます。

確定拠出年金企業型の加入者がiDeCo(イデコ)に加入しやすくなる

  確定拠出年金企業型に加入していてiDeCoに加入する場合 確定拠出年金企業型と確定給付型に加入していてiDeCoに加入する場合
確定拠出年金企業型の事業主掛金(①) 55,000円以内 27,500円以内
iDeCoの掛金(②) 20,000円以内 20,000円以内
①+② 55,000円以内 27,500円以内

改正前の確定拠出年金企業型では、確定拠出年金企業型に加入している従業員が、iDeCo(イデコ)に加入するためには、労使が合意をしたうえで規約に定める必要がありました。

令和4年度の改正によって、令和4年10月以降は、確定拠出年金企業型の加入者が、特定の規約がなくても原則iDeCo(イデコ)に加入できるようになりました。

なお、確定拠出年金企業型のマッチング拠出を選択している場合は、iDeCo(イデコ)に加入することはできません。マッチング拠出を採用している企業にお勤めの方は、マッチング拠出かiDeCo(イデコ)かどちらかに加入するかを選択することになります。

また、確定拠出年金企業型の事業主掛金とiDeCo(イデコ)の掛金の合計額が、上記の表の金額以下であることが条件となります。

確定拠出年金企業型改正にともなう注意点

確定拠出年金企業型の改正にともなって、実はiDeCo(イデコ)の改正も行われています。確定拠出年金企業型の改正にともなう注意点として以下の2つを解説します。

  • 老齢給付金を受給した場合
  • iDeCo(イデコ)の加入年齢拡大

老齢給付金を受給した場合

確定拠出年金企業型や、iDeCo(イデコ)の老齢給付金を受給した場合には、加入要件を満たしていても確定拠出年金企業型、iDeCo(イデコ)のいずれにも再加入することができなくなります。

また、公的年金を65歳より前に繰り上げ請求した場合も同様に、加入要件を満たしてもiDeCo(イデコ)に加入することはできません。

iDeCo(イデコ)の加入年齢拡大

令和4年度の確定拠出年金企業型の改正によって、iDeCo(イデコ)もさらに加入しやすくなりました。改正前のiDeCo(イデコ)では、加入者の年齢は20歳以上〜60歳未満となっていましたが、令和4年5月以降は65歳未満まで加入可能です。

ただし、iDeCo(イデコ)は加入要件の1つとして「国民年金の被保険者であること」があるため、フリーランスや自営業の場合は、国民年金の納付月数が40年(480ヵ月)に満たない人が加入する任意加入制度の利用が必要となります。

なお、お勤めの方で、定年後も雇用延長で厚生年金の被保険者として働く場合は、国民年金の被保険者に該当するため、iDeCo(イデコ)に65歳まで加入することが可能です。

まとめ

令和4年度の改正によって確定拠出年金企業型は今までよりも使いやすくなり、iDeCo(イデコ)との併用もしやすくなりました。国が老後の資産形成の後押しをしていることがわかります。

しかし、公的年金を繰り上げ受給してしまったり、60歳で会社を定年退職して国民年金の任意加入者でもない場合などは、iDeCo(イデコ)に加入できません。

一旦決めてしまうと後戻りができないため、早いうちに老後に向けてのライフプランを作成し、何歳まで働くかなどの計画を立てておく必要性があります。

国の複雑な年金制度なども関係するため、難しくてわからない場合には、アイマークまでお気軽にご相談ください。

確定拠出年金企業型のターゲットイヤーファンドはおすすめか?その内容を解説

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です

確定拠出年金企業型の中には、ターゲットイヤーファンドという商品があります。自動的に配分比率を変更してくれる便利な商品と考えて、安易に選択をしている人がいるかもしれません。

こうした人がいれば、考え直す必要があります。この記事では、バランスファンドのうちターゲットイヤーファンドに着目し、商品の特徴と、確定拠出年金企業型全体の商品選びの考え方について解説します。

ターゲットイヤーファンドとは

確定拠出年金企業型の商品の中には、国内債券投資信託、海外債券投資信託、国内株式投資信託、海外投資信託などがあります。

しかし、どの投資信託を選んでいいかわからないという人が多いため、投資初心者向けに投資信託を組み合わせたバランスファンドが用意されているのです。

バランスファンドの種類には、主に以下の3種類があります。

  • アセットミックスファンド
  • リスクコントロールファンド
  • ターゲットイヤーファンド

ターゲットイヤーファンドは、3種類ある主なバランスファンドのうちの1つという位置付けです。

ターゲットイヤーファンドの特徴

ターゲットイヤーファンドは、運用開始時点ではリスクをともなう比較的積極的な投資を行い、運用期間の経過とともに配分割合を徐々に見直していきます。年を重ねることで、リスク許容度が低くなるため、運用期間の経過とともに消極的な投資へとシフトしていきます。

通常、配分割合は自分で変更する必要がありますが、ターゲットイヤーファンドは運用期間に応じて自動的に配分割合を変更してくれるため、完全お任せの商品となっているのです。

ターゲットイヤーファンドのメリット

ターゲットイヤーファンドのメリットは以下の通りです。

  • 長期間、運用をプロにお任せできる
  • バランスファンドなので分散投資効果があり、比較的リスクを抑えて運用できる

ターゲットイヤーファンドのデメリット

一方、ターゲットイヤーファンドのデメリットです。

  • 運用側は手間がかかるため、信託報酬が高くなる
  • 完全お任せにすると、投資商品を選定する技術が養われず、投資の知識が磨かれない
  • もっと利回りの良い商品があり、機会損失が発生している可能性がある

ターゲットイヤーファンド以外のバランスファンドの特徴

ターゲットイヤーファンド以外のバランスファンドである「アセットミックスファンド」と「リスクコントロールファンド」についても簡単に解説していきます。

アセットミックスファンドとは、複数の資産の配分比率が予め決まっているバランスファンドです。金融機関によっては、配分比率固定型と呼ばれることがあります。

リスクコントロールファンドとは、経済情勢や目標とするリスク、リターン水準に応じて配分比率を変更するバランスファンドです。金融機関によってはアロケーション型と呼ばれることがあります。

いずれもターゲットイヤーファンドと同様に、信託報酬が高いことや機会損失が発生することが大きなデメリットとしてあげられます。

確定拠出年金企業型の運用商品で最もリスクが高いのは?

引用元:運用目標を立てよう!確定拠出年金を上手に運用するコツ|りそなグループ参考
https://www.resonabank.co.jp/nenkin/ideco/column/tips-of-401k.html

バランスファンドの仕組みを理解するために、確定拠出年金企業型における商品のリターンとリスクの関係を確認しておきましょう。

確定拠出年金企業型の運用商品は大きく以下の2つに分けられます。

元本確保型商品 定期保険、保険商品など
元本変動型商品 株式投資信託、債券投資信託、REIT(不動産投資信託)など

各資産のリターンとリスクの関係はおおよそ以下のように分類されます。投資においてはリターンとリスクは表裏一体の関係にあり、大きなリターンを得るためには、高いリスクを取ることが必要です。

リスクが高い 外国株式投資信託
リスクがやや高い 国内株式投資信託、海外REIT
ミドルリスク 国内REIT、外国債券投資信託
リスクがやや低い 国内債券投資信託
満期まで持っていれば元本割れをしない
(最もリスクが低い)
元本確保型商品

元本確保型商品が最もリスクが低く、債券投資信託、REITと徐々にリスクは上昇し、そして株式投資信託が最もリスクは高くなります。また、国内の商品と海外の商品がある場合には、海外商品の方がリスクは大きくなります。

配分割合を変更して投資のリスクとリターンは自分でコントロールする

最もリスクの高い商品は外国株式投資信託ですが、最もリターンが得られるのも外国株式投資信託ということです。

確定拠出年金企業型の毎月の掛金のうち、株式投資信託の比率を多めに運用している人ほど、リスクはあるものの、大きなリターンが期待できる運用ができています。

逆に、毎月の掛金の全てを元本確保型商品や債券投資信託などの商品で運用している人は、リスクはほとんどありませんが、リターンも少ない運用になります。

確定拠出年金企業型では運用商品を自分で変更できるため、自分のリスク許容度を把握して、リスクとリターンを自分でコントロールしなければなりません。

リスクとリターンをコントロールすることを諦めて、安易にターゲットイヤーファンドに全てを任せきることは避けるべきです。

投資のリスク許容度の判断方法

確定拠出年金企業型の商品を選択する場合には、自分のリスク許容度を考慮して選択するのがおすすめです。

リスク許容度とは、運用益がマイナスになってしまった場合、マイナスをいくらくらいまで受け入れることができるかという目安のことです。リスク許容度は、以下の5点から判断できます。

  • 年齢
  • 資産状況
  • 投資経験
  • 家族構成
  • 投資に関する考え方

年齢

投資は長期間運用を続けるとリスクを抑えることができます。確定拠出年金企業型は最大70歳までの運用が可能であり、若い人ほどリスク許容度は高いとされています。

資産状況

不動産、株式、莫大な預貯金などがある人は、確定拠出年金企業型の運用に失敗しても、資産が少ない人よりも、資産全体での被害は少なくなります。そのため、資産が多い人ほどリスク許容度は高くなります。

投資経験

一般的に投資経験が長い人ほど、運用商品の暴落や暴騰に対する理解があると考えられます。そのため、投資経験が短い人ほどリスク許容度は低くなり、投資経験が長い人ほどリスク許容度は高くなります。

家族構成

家族が多いほど生活資金などの支出が増えるため、家族構成もリスク許容度に影響を与えます。養う家族が多いほどリスク許容度が低くなり、独身の人ほどリスク許容度が高くなります。

投資に対する考え方

積極的な運用をして大きく増やしたい人は、リスク許容度は高くなり、元本割れは絶対したくないという人は、リスク許容度は低くなります。リスク許容度は、自分の性格にも関係します。

まとめ

ターゲットイヤーファンドは、どの運用商品を選べばいいかわからない人のための商品であり、自分の年齢に応じて配分割合に変更してくれるため、人によっては、満期まで保有し続けることもあります。

しかし、ターゲットイヤーファンドよりも大きなリターンを出している投資信託は意外とあります。資産を大きく増やせるチャンスを失っている可能性もあり、ターゲットイヤーファンドを選択して、任せきりの運用をすることはあまりおすすめできません。

どの運用商品を選んだら良いかわからないという理由で、ターゲットイヤーファンドなどのバランスファンドを選んでいるのであれば、運用商品の見直しが必要です。難しくてわからない場合には、アイマークまでお気軽にご相談ください。

デフォルト商品とは?概要やリスクをわかりやすく解説

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 認定FP

アイマーク株式会社 代表の村松です。

今回は、確定拠出年金企業型のデフォルト商品に関するお話です。

確定拠出年金企業型に加入しているけれど、運用商品を選択した記憶が全くないということはありませんか?もしかしたら、気が付かないうちにデフォルト商品を選んでいるかもしれません。

デフォルト商品は運用リスクが少ない傾向にありますが、老後の資産形成という面では不十分な可能性があります。

この記事では、「デフォルト商品とは何か?」と「デフォルト商品の危険性」について詳しく解説します。

デフォルト商品とは?

デフォルト商品とは、加入者が期日までに運用商品の選択を提出しなかった場合に自動選択される商品のことです。

確定拠出年金企業型では、具体的な運用商品の選定を加入者自らが行う必要があります。

確定拠出年金企業型の商品選定方法

確定拠出年金企業型の商品を選択する場合には、運用商品が記載されている書類に、配分割合を記入するのが一般的です。配分割合を記入した後、総務などの担当部署に提出します。

また、企業によっては、確定拠出年金企業型の専用サイトで、配分割合を入力する場合もあります。

ただし、この配分割合を決める手続きは、期日が決められているのです。

仮に、定められた期日までに配分割合を提出または入力せず、投資先を指定しなかった場合、自動的に掛金の100%がデフォルト商品に投資されます。

デフォルト商品が選択される場合の具体例

デフォルト商品が選択される場合の具体例を、運用商品が以下の場合の事例で解説します。

  • 運用商品A(デフォルト商品)
  • 運用商品B
  • 運用商品C
  • 運用商品D
  • 運用商品E
  • 運用商品F

この事例の場合、運用する商品の割合を「運用商品A10%、B30%、C30%、F30%」などのように自分の好きな割合に設定できます。

しかし、期日までに配分割合を記入して提出しなかった場合には、デフォルト商品である運用商品Aに掛金の100%が投資されることになるのです。

デフォルト商品の選定状況

引用:2020(令和2)年度 確定拠出年金実態調査結果 P10 | 企業年金連合
https://www.pfa.or.jp/activity/tokei/files/dc_chosa_kessan2020_1.pdf

企業年金連合会「確定拠出年金に関する実態調査2020」にて、指定運用方法(デフォルト商品)が選択されている割合を調査したところ、40.5%の企業が指定運用方法(デフォルト商品)を選定していると回答しています。

指定運用方法(デフォルト商品)を選択している企業のうち、75.7%が指定運用方法(デフォルト商品)に元本確保型商品を選択しており、投資信託を選択しているのが23.6%です。

投資信託を選択している人のほとんどは、バランス型投資信託を選択しています。

デフォルト商品が自動的に選択される理由

配分割合の選択がなかった場合に、比較的安全な資産であるデフォルト商品が自動的に選択されるのは、加入者の掛金がリスク資産に投資されることがないようにするためです。加入者の希望を聞かずに運用商品を選択するのであれば、元本割れの可能性はできるだけ少なくしなければなりません。

確定拠出年金企業型は、掛金が同じであっても、運用次第で退職時の受取金額が大きく変わってくるため、商品選択は極めて重要です。

デフォルト商品の危険性とは?

デフォルト商品には、掛金の元本が確保される「元本確保型商品」や、投資信託の中でもリスクの低い「バランス型投資信託」が設定されているため、大きな危険は生じません。

ここでは、デフォルト商品として「元本確保型商品」や「バランス型投資信託」が選択された場合のリスクについて解説します。

資産価値が目減りする可能性がある

投資の世界では「リスクとリターンは表裏の関係にある」という原則があります。つまり、大きな利益を投資で得るためには、リスクの高い商品を選ぶ必要があるということです。

元本確保型商品や利回りが低めのバランス型投資信託はリスクの少ない商品であるため、大きなリターンが期待できません。

利回りの低い運用をしていると、世の中の物価が上昇した場合に資産の価値が目減りしてしまうことがあります。

安全な商品で運用することは、目に見えた損失が発生しないだけで、リスクが全くないわけではないのです。

やみくもにリスクを背負ってリターンを追い求めるのではなく、老後の生活資金が公的年金を加味していくら不足するかをしっかり把握したうえで、運用商品を選択するよう心がけてください。

適切な商品分散ができていない可能性がある

アセットミックス型以外のバランス型投資信託として、資産配分が年を経るごとに安全な配分に変更していく「ターゲットイヤー型」と、市場環境に応じて資産配分が変動する「リスクコントロール型」があります。

いずれも極端に言えば、ほったらかしにできてしまう商品です。

しかし、バランス型投資信託に頼らなくても、自分で投資割合を調整して、分散投資をすることは可能です。

確定拠出年金企業型の商品ラインナップの中には、大きなリターンを得られる商品もあります。リスクを過度に恐れて、安易にデフォルト商品を自動選択し続けるのは避けるべきでしょう。

リターンの大きい商品はリスクが高いので、商品の分散、時間の分散、長期投資の3つを活かすことが重要です。

一見難しく感じるかもしれませんが、確定拠出年金企業型という制度自体が長期投資であり、毎月定額の購入であり時間の分散が働いているため、加入者の方が意識すべきなのは、商品の分散だけになります。

まとめ

確定拠出年金企業型に加入したら、加入者は拠出される掛金の投資先や配分割合を決定して期日までに提出しなければなりません。

期日までに配分割合等の選択がなかった場合には、デフォルト商品となってしまうことがあります。デフォルト商品にはリスクの少ない商品が設定されますが、リスクが少ないためリターンも少なくなります。

すでにデフォルトで運用している人も、配分割合の変更は無料でいつでもできるのでご安心ください。

確定拠出年金企業型の商品を選ぶ場合には、ライフプランを作成して、老後の生活資金がいくら不足するかを知ったうえで選択することが重要です。

もし自分で計算することが難しい場合は、お気軽にアイマークまでご相談ください。