(2022.8.29追記)
公立王国・静岡県でも、私立高校が人気になっている要因のひとつが、「私立高校授業料無償化」の制度です。
公立か私立か?
進路に悩んだ時に、私立高校を選ぶ後押しとなっていることは間違いありません。
本当に、私立高校は費用がかからなくなっているのでしょうか?
今回は、静岡県立高校と私立高校のかかる費用の比較をしてみたいと思います。
(私立高校授業料無償化の対象になったと仮定して比較します)
高校進学前の費用
高校進学する前から、費用がかかります。
まずかかるのが、受験費用と入学金です。
静岡県立高校
受験費用 2,200円
入学金 5,650円
私立高校
受験費用 15,000円~25,000円
入学金 100,000円~280,000円
この費用については、無償化は関係なく全額自己負担です。
私立高校は、学校によって金額に幅がありますが、県立高校と比べて、受験費用と入学金合わせて10万円以上の負担増となることに注意が必要です。
合格が決まり、入学金を収めてほっとしたと思ったら、次は、制服や学用品、教材費の納入が待っています。この費用も全額自己負担となります。
この費用については、県立私立関係なく、しっかりかかってきます。
制服の内容によっても費用が大きく異なりますが、入学金とは別に、10万~15万円程度予算化しておくといいでしょう。
県立高校で男子の制服が学ランの場合は、中学校の制服のボタンを変えるだけで使用できますので、かなり安く抑えることも出来ます。
高校進学後の費用
次に、入学してからかかる費用です。
ここで、ようやく授業料が発生してきます。「私立高校授業料無償化」の制度は、この授業料相当分が無償化になるということです。
具体的にかかる費用を見ていきましょう。
静岡県立高校
授業料 年間118,800円 ※無償化対象の家庭は無料
施設費 無料
学年費 年間80,000円
会費(PTA・後援会・生徒会など) 年間36,000円
修学旅行積立金 年間50,000円
私立高校
授業料 年間40万~50万円 ※無償化対象の家庭は396,000円が補助、不足分は自己負担
施設費 年間10万~20万円
学年費 年間8万~10万円
会費(PTA・後援会・生徒会など) 年間36,000円
修学旅行積立金 年間7万~19万円
授業料相当額が無償化になりますので、県立でも私立でもかかりません。
ただし、私立高校の授業料は学校によって違いますので、授業料が396,000円以上の場合は、自己負担が増えます。
授業料以外にも様々な費用がかかることにも、注意が必要です。
学年費、会費は、県立高校も私立高校も、あまり差がない印象ですが、施設費、修学旅行の積立金には大きな差がありました。
特に施設費に関しては、県立高校は無料なのに対して、私立高校は年間10万円以上の学校が多く見受けられました。
修学旅行の積立金についても、私立高校の方が圧倒的に高い傾向です。
まとめ
「私立高校授業料無償化」の対象だから、すべての費用が無料になると思っていたのに、実際は、結構かかって大変だった…という声も聞かれます。
この制度は、あくまで授業料相当額を補償してくれるもの。
他の費用は自己負担となります。
進路が決まってから困ることのないように、進路選択の前に、実際にかかる費用を把握しておきたいですね。
ファイナンシャルプランナー 伊藤