(2022.8.29追記)
私立高校無償化で注意したいポイント
私立高校無償化の対象になるから、お子様を私立高校に進学させたはずなのに、
7月に高校から届いた「就学支援金支給決定通知書」には、月9,900円の支給決定…
月33,000円のつもりだったのに…
と、青ざめているお母様の顔が目に浮かびます。
今回は、静岡県の私立高校無償化の注意点をお伝えしたいと思います。
私立高校無償化には、2種類ある
前回のコラムでもお伝えしましたが、私立高校無償化には、国と県、2種類の支援があります。
国は、「就学支援金制度」
静岡県は、「授業料減免制度」
それぞれの算定基準が違うこと、通知のタイミングが違うことから、混乱が起きてしまっています。
それぞれ、整理してみましょう。
【国の就学支援金制度】
年収590万以下 年396,000円(月33,000円)
年収910万以下 年118,800円(月9,900円)
【静岡県の授業料減免制度】
年収270万以下 年117,000円(月9,750円)
年収270万~350万 年57,600円(月4,800円)
年収590万~700万 年277,200円(月23,100円)
年収700万~800万 年79,200円(月6,600円)
※2022年度に800万未満に拡充されました
※両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いているケースの年収
国の就学支援金と、県の授業料減免制度を足して、「私立高校無償化」の制度が成り立っています。
つまり、
年収350万~590万の家庭は
国の支援金 年396,000円(月33,000円)のみ
年収590~700万の家庭は
国の支援金 年118,800(月9,900円)+ 静岡県の授業料減免 年277,200円(月23,100円)
合わせて、年396,000円(月33,000円)
上記のように、私立高校無償化の支援額は同額ですが、国の支援だけの家庭と、国と県を合わせた家庭があるということです。
7月の通知は、「国の就学支援金」
7月に高校からもらった通知は、「国の就学支援金」です。
私が、ご相談者から見せていただいた通知書には、「高等学校等就学支援金支給決定(支給予定)通知書」と記載されていました。
つまり、これは国の制度の分の通知ということです。
実際の通知には、このように記載されています↓
「高等学校等就学支援金については、静岡県知事より下記のとおり決定されましたのでお知らせします
——月9,900円 」
もう、お分かりかと思いますが、この通知を受け取った家庭は年収910万以下の世帯。
国から、年118,800円(月9,900円)支給されるということが決まったということです。
ここでは、静岡県の授業料減免制度については触れられていません。
静岡県の授業料減免制度の通知は?
国の就学支援金の対象ということは分かったけど、静岡県の通知はいつ来るの?
早く知りたいですよね。
それぞれの高校に問い合わせしていただくのが一番だと思いますが、私が問い合わせたところ、静岡県から高校への通知が遅れているため、まだ、配布できていないとのことでした。
もうしばらくしたら、「静岡県の授業料減免制度の支給決定通知」が届くと思います。
月9,900円でも、あきらめないで下さいね。
高校によって、支援金の精算方法が違います!
私立高校無償化の対象になるからと私立高校を選んだ方に、もうひとつ注意点があります!
高校によって、授業料の支払い方、支援金の精算方法が違うということです。
【授業料の差額だけ請求される高校】
ある高校は、入学前に課税証明書(入学の2年前のもの)とマイナンバーを提出し、国と県の支援の対象かを確認し、授業料の請求時点で差額のみを請求しています。
実際の基準は、前年の市民税の課税標準額が対象になりますので、入学後の6月に両親のマイナンバーにより確定、対象かどうかの通知が来ることになります。支援金は学校に支払われるため、差額の金額だけ支払っていきます。
このような高校の場合は、差額の授業料しか請求されないため、家計負担は少なくなります。
【支援金が返金される高校】
当初から授業料の全額を請求し、年末に支援金を返金する高校もあります。
こういった高校の場合、年末に戻ってくるとはいえ、毎月の家計負担が大きくなりますので、注意が必要です。「うちは、私立高校無償化の対象だから大丈夫~」と思っていても、毎月の授業料分は用意しておかないといけません。
アイマーク株式会社では、私立高校無償化のご相談も受け付けております。
お気軽にお問合せください。
↓ 無償化の対象になったのに、私立高校ってこんなにかかるの?
具体的にどのくらいのお金がかかるのか把握しておきましょう。
ファイナンシャルプランナー 伊藤