大学費用のインフレが止まらない!
このコロナ禍で、オンライン授業を強いられている大学生。
友人との交流も出来ず、自宅でパソコンに向かって授業を受ける毎日は、本当につらいことだろうと思います。
対面でのリアルな授業に比べて、オンライン授業では限界があります。
理系の学生は実験が出来ず、ただ教授の話をオンラインで聞くだけの授業では、大学で学ぶべきことの半分も得ることが出来ないのでは?と思ってしまいます。
オンライン授業中心になって、気になってきた「大学費用」。オンライン中心になっても授業料が割引になることはないようです。
この「大学費用」、調べてみると、数年前と比べて値上がりしていることが分かりました!
少子化で生徒数が減っていることから、毎年値上がりしています。
日本政策金融公庫が毎年発表している「教育費負担の実態調査」では、高校入学から大学卒業までにかかる費用が平均965万になり、前年比で26万プラスになりました。
日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査」2020年10月30日発表
入学金、授業料についても値上がりしています。
平成10年の国立大学の入学金は18万円、授業料が34万円でしたが、現在は、入学金が28万円、授業料が53万円になっています。
私立大学は毎年値上がりしており、平成元年の入学金は25万円、授業料が57万円でしたが、令和元年には、入学金が25万円、授業料が90万円になっています。
1年で2~3%のインフレになっていることから、このままのペースでインフレが進むと、10年後には1.3倍、20年後には1.5倍にもなる計算です!
家賃、交通費も値上がり
昨年発表された、平成30年総務省の住宅・土地統計調査によると、借家の1カ月の家賃の全国平均は、55,675円。
5年前は53,594円、10年前は49,494円でした。10年で12%も上昇しています。
地域別にみると、東京都の家賃の平均は、81,001円で突出しています。
次いで神奈川県が68,100円。他の地域は4~5万円前後ですので、都心に進学予定の場合は、倍近く家賃がかかっているということです。
交通費についても、消費税率の改定と合わせて値上げになりました。
JRは、令和元年10月には1.851%、平成26年4月には2.857%の値上げをしています。7年前と比べて4.7%も値上がりしているということです。
このコロナ禍で利用者が減少しており、赤字が増え、今後運賃の値上げが検討されるのではないかとも懸念されます。
生活費は値上がりしているのに、仕送りは減少
家賃も交通費も値上がりしているにもかかわらず、仕送り費用は年々減少傾向です。
ということは、仕送りだけで不足する分は、アルバイトで賄っている学生が増えているということです。コロナ禍で飲食店のアルバイトが激減し、大学生の退学が増えていることは、悲しい現実ですね。
大学費用こそ、インフレリスクに強い資産を
大学費用や生活費が、インフレにより、数年後にかかる費用が現在の金額よりも増えてしまうことが十分想定できます。
つまり、低金利の学資保険や預金だけで用意している場合、物価上昇に負けてしまう可能性が高いということです。
大学費用こそ、学資保険や預金だけでなく、インフレリスクに強い資産を持つ必要があります。インフレリスクに強い資産のひとつが、株式です。
運用中に課税されないものが、様々出てきていますので、それを使って株式を購入する仕組みを出来るだけ早く作り上げてみてください。
すでに学資保険に加入中のご家庭も多いと思います。
私の経験上、お子様が大学進学を希望している場合、学資保険だけでは不足する家庭がほとんどです。
次回のコラムでは、教育費がいつ、いくら用意する必要があるのか?
不足する場合、どう対策を取ったらいいのか?
実際にあった事例をもとに、ご紹介していきます。
アイマーク株式会社 伊藤亮子